行列している菓子パンが焼き上がりました
●垂直に立ち上がった側面がすっきりとした横長の食パン型。この型で7種類の味を一度に味わってみたいと思います。成型し型に並べたら・・・まるで「行列しているパン生地たち」です。24センチという長さを目いっぱい使い細長パンをぴっちり並べます。それぞれの生地がはがしやすいように、溶かしバターを塗っておきます。こうすると簡単にパン同士がはがれます。包丁いらずの菓子パン7個はなかなかの迫力です。端から手でもぎ取るように、はがして召し上がってください。それぞれに違った具を入れると楽しみも7倍です。今回は2本分焼いてみました。強力粉の分量も何と!560グラムです。腕まくりをして手捏ねで生地作りをしてみませんか。

はじめての方にも分かりやすいように、今回のレシピはちょっと写真が多めです。ベテランの方は写真は省略してご覧ください。
◇材料(薄い横長24センチ食パン型2個分)
強力粉560グラム
ドライイースト 11.2グラム(小匙4弱)
塩 5.6グラム(小匙1強)
水(夏は氷水、冬はぬるま湯) 365〜380CC
砂糖34グラム
バター 44グラム

中身の具として 括弧の中はトッピングの材料を表してます
◎板チョコ(アーモンドスライス)
◎羊羹(けしの実、なければ白ゴマ)
◎カレー(パン粉)
◎チョリソー(プチとまと)
◎ベーコン&コーン(塗り卵をせずに強力粉)
◎鶏のから揚げ(バジル)
◎とろけるチーズ(マヨネーズと粉チーズ)

※ 予定生地量 1020〜1035グラム
※ 分割 72〜74グラム×14個 

1パン生地捏ね上げから→第一発酵まで
◇手順
パン生地捏ね上げから→第一発酵まで
1.乾いたボウルにバターと水分以外の材料を入れます。
注:計量はしっかりとハカリでしましょう。イーストと塩はお隣同士にしないように。
2.ボウルの中で、砂糖の粒や塩の粒がないように軽く混ぜ合わせます。
3.水を入れるためのくぼみを作ります。
4.計量した水をすべて注ぎいれます。
注:夏場は冷水を使います。仕込み水の温度の詳しい説明はこちらをご覧ください。

5.ボウルの中で粉と水を馴染ませます。馴染んできたら、指の間から生地を押し出すように体重をかけて混ぜ合わせます。(写真では見やすいようにあえて小さなボウルを使いましたが、皆様はもっと大きいボウルをお使いください)
6.粉っぽさなくなったら、次に冷蔵庫から出して室温に戻したバターを加えます。
7.バターは生地に馴染みにくいので、指の間から生地を押し出すようにしっかりとまぜ合わせます。
8.バターが馴染んだら、ボウルから台に取り出します。
注:このとき打ち粉は使いません。
9.生地を台の上で捏ね上げていきます。
10.捏ね上げは写真をどうぞご覧ください。慣れてきたら台に出してからの捏ね上げが10分くらいで仕上がると良いですね。
#1 良いパン生地は短時間でしっかりと捏ね上げた生地です。
#2 つまり、捏ね上げが不十分だと硬いパンになります。
#3 扱いにくいからといって水分を少なめにしたり、打ち粉をすると美味しいパンにはなりません。

上のようなことから、今回は手捏ねをご紹介しましたが、生地作りは機械に頼るのも賢い選択ですよね。
11.捏ね上がったかどうかの確認は左の(ほぼ仕上がってきました)の写真を参考にしてくだい。

12.捏ね上がった生地は表面をきれいに丸め直してボウルに戻します。乾燥しないようにラップをかけて第一発酵に入ります。注:生地をきれいに丸めてから第一発酵に入ることで、第一発酵を十分行なうことができます。
2分割ーベンチタイム
1.第一発酵が終了した状態は下の写真をご覧ください。

2.発酵が終了したかどうかの確認は、フィンガーテストで行います。指に強力粉をたっぷりまぶし、生地に垂直にゆっくりと押し込みます。そしてゆっくりと指を生地から離します。すぐ穴が閉じてしまうようでしたら第一発酵はまだ不十分です。左の写真の上から4番目の穴の状態が第一発酵が終了した状態です。
3.のし板に生地を逆さまにして取り出します。
4.今回は生地を14等分にしたいと思います。大きな生地のまま分割はできません。分割しやすいように、スケッパーで棒状になるようカットしてから分割しましょう。
5.一個の生地量が72〜74グラムになるように分割しましょう。
6.バットの上にキャンバス生地を広げます。
7.分割したパン生地を丸め直してキャンバス生地の上に間隔をあけて並べます。
8.乾燥しないように、蓋をしてベンチタイムに入ります。
#ベンチタイムって?何?・・・分割、丸めをしたことにより、パン生地がずいぶん傷んでしまいましたね。傷んだ生地はベンチタイムにより修復されます。ベンチタイムをせずに次の作業をすると生地が上手に伸ばせませんよ。パン生地がかわいそうでしょ・・・
3-仕上げ
1.中に入れる具を準備しましょう。今回は一度の焼き上げでいろいろな味を楽しんでいだけるよう7種類の具材とトッピングを用意いたしました。型から取り出したあと、包丁を使わないで手でほぐせる成型にいたしました。ママ楽ちん!では頑張って!可愛い子供たちの顔を思い浮かべ頑張りましょう!
2.ベンチタイムを終えた生地は写真でご覧いただくとおり、ややふっくらしてきました。麺棒で9センチ角くらい生地を伸ばし、具を手前3分の2に広げます。(カレーやベーコンは手前半分に具を広げます。なぜかと言うと油分の多い具を巻き込む場合は綴じ目に油分が付いてしまうと生地を閉じることができないからです)
3.海苔巻きを作る要領で具を巻き込んでいきます。巻き終わりは指先でしっかりと閉じましょう。
4.今日のレシピ一番大事なのはここです!成型した細長い生地は必ず順番通りにキャンバス生地の上に並べておきましょう。ランダムに置いてしまうと中身がまったく分からなくなってしまい、ミステリーツアー状態になってしまうからです。まあそれはそれで楽しいですが、カレーパンのつもりで口に入れたらあらたいへん!羊羹が入っていたなんてことが・・・
5.型にショートニングをしっかりと塗っておきます。
6.溶かしバターを用意しております。
7.型の両端と真ん中に成型した生地を置きます。置いた生地の側面に溶かしバターを刷毛で塗ります。端っこの生地の隣に次の生地を置きます。置いた生地の側面にまた溶かしバターを塗ります。そして間に生地おきます。この作業をくり返して、7個の生地をすべて並べます。
# 生地と生地の間に溶かしバターを塗ることにより、焼き上がったパンを手で分けやすくなります。

8.7個の生地が並んだ型に霧を吹いて、大きなバットに入れ、蓋をして第二発酵に入ります。(夏場でしたら室温で十分です。冬場はしっかりと容器で覆い暖かいところで発酵させてください。発酵機能付きオーブンをお持ちの方が多いと思いますが、オーブンの中での発酵はお奨めできません。第二発酵の最適温度は32〜35度です。これ以上高い温度での発酵を進めると生地がかなりだれてしまいます)

4-仕上げ
下の写真が第二発酵が終了した状態です。
1.溶き卵を用意して楽しい楽しいトッピングを始めましょう。
2.ベーコン&コーンの入っている生地以外のパン生地に溶き卵を刷毛で塗ります。
3.目印代わりにお好きなトッピングを用意していただき、生地にのせます。ベーコン&コーンだけは溶き卵を塗らず、強力粉を茶漉しでふるいます。(何となくハイジの白パン風な仕上がりになります)
4.今回はクールスタートではありません。しっかり予熱したオーブンで焼き上げます。予熱温度は180度です。焼き時間は25分です。まだ焼時間が残っているのに焼き色が付きすぎてしまうようでしたら、アルミ箔を生地に被せて焼き上げます。

#1 お使いのオーブンによりかなり焼き時間には差が出ます。また焼き色にも差があります。またデジタル表示されている庫内温度は、実際の温度と差がでる場合もございます。いちどオーブン専用温度計でご自宅のオーブン温度を確認してみると良いですね。
#2 家庭用オーブンは庫内が狭いので、壁面に近い生地ほど焼き色が付きやすくなります。オーブンの外から中の様子を見て、あまり焼色に差が出るようでしたら、前後、左右を入れ替えてみてください。出し入れの際は火傷に気をつけましょう。長めのオーブンミットはとてもお奨めです。

5.焼き上がったら、7〜8センチの高さからトンと型ごと落とし、ショックを与えます。そしてすぐに網に取り出します。ちなみに今回の生地量は型2本分です。育ち盛りのお兄ちゃまがいらっしゃるご家庭なら、このくらいの量で準備されると良いと思います。

MEMO 蓋をすれば横長食パン!蓋を取れば「行列している菓子パン」溶かしバターを塗ったことで、包丁要らずの菓子パンが焼き上がりました。具とトッピングの両方で楽しめる「行列パン」をぜひお試しくださいませ。
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